振り向いて消える笑顔が
戸惑う程
儚く夜に零れる
街を見降ろす
丘まで二人歩いて
傾く月の灯でそっと
身を暖めた
薄い翼で
星屑にまで近付ける
ボクらの爪先を
地上に戻して
吹き抜ける疾風の冷たさは
熱も日々も奪い去ってくの
水のないプールに立ってる
注がれる季節を待ってる
胸の階段
ずっと軋んでいるから
壊さぬ様に
気づかれぬ様に
昇り続けよう
心以外何も持たずに
出逢ったから
すれ違ったから
夢を見てたよ
砂の舟で
君と行き着く遠い場所
碧く染める月光
触れた君が見せた幻
愛と言えないまま
夜の淵を翻る
恋なら揺れないで
愛なら剛く抱き返さないで
俄かに迷い込んだ
静かの海に流される
誰かを深く想うことは
明日さえも殺してゆくよう
躯の奥が目醒めていくよ
ただ欲しいのは 波の音
碧く過ぎる時間に
振れた君の焔を視てる
愛と言えないまま
彩光を変える刹那さを
離れる過ちも
涙が描く彩やかな闇も
総ては浚われてく
月が二人を赦してく
振り向いて消える笑顔が
戸惑う程
儚く夜に零れた
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